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システム開発

2020.03.25

EC事業の市場規模について日本と世界の視点から今後の成長を予測する
  • 国内EC市場は年々拡大を続けている!

  • 海外EC市場は、伸び率が2桁で急速に拡大中!

  • 海外EC市場では日本はどのポジション?

  • まとめ

国内EC市場は年々拡大を続けている!

経済産業省が調査した「平成30年度電子商取引に関する市場調査」が公開されました。

経済産業省の調査結果では、以下の3つのECモデルごとに市場規模をまとめています。

    – BtoC EC市場

    – CtoC EC市場

    – BtoB EC市場

 

まずはじめにBtoCモデルの調査結果から見てみましょう。

上図のとおり、2018年のBtoC EC市場規模は、17兆9,845億円で前年比の伸び率は、8.96%でした。

2016年以降伸び率は約9%台であり、この結果から年々拡大していると言えるでしょう。

その中で、各分野の最大規模と最大伸び率は、以下の通りです。

 

  • 物販系分野
    • 最も大きい市場規模: 衣類・服装雑貨等 (17,728億円, 7.74%)

    • 最も高い伸び率: 食品、飲料、酒類 (16,919億円, 8.60%)

  • サービス系分野

    • 最も大きい市場規模: 旅行サービス (37,186億円, 10.27%)

    • 最も高い伸び率: 飲食サービス (6,375億円, 41.61%)

  • デジタル系分野

    • 最も大きい市場規模: オンラインゲーム (14,494億円, 3.0%)

    • 最も高い伸び率: 有料音楽配信 (645億円, 12.51%)

 

飲食サービスでの伸び率が40%を超えたのは圧巻です。この背景には飲食業のネット予約やスマホアプリの利用が急激に普及していると言えます。

 

 

次にCtoC EC市場です。

CtoCモデルはBtoCやBtoBモデルになり得る市場なのでフリマアプリの調査結果を見てみます。

 

2018年のフリマアプリの市場規模は6,392億円で、前年比の伸び率は32.3%と急激な拡大を示しています。

初めてフリマアプリが登場したのは2012年にも関わらず目覚ましく成長しています。

これは、スマホ利用の増加やネットワーク回線(4G対応)が密接に関係していると思われ、引き続き目を見張るべき市場の一つです。

 

 

最後にBtoB EC市場です。

2018年のBtoB EC市場規模は344兆2,300億円で、前年比の伸び率は8.1%なっており、こちらも拡大を続けています。

とくに「卸売」、「建設・不動産業」、「繊維・日用品・化学」、「産業関連機器・精密機器」の順に拡大率が高い。

 

結論として、国内の全モデルのEC市場は、年々拡大を続けておりこれからも目が離せない市場と言えます。

海外EC市場は、伸び率が2桁で急速に拡大中!

経産省の調査結果から国内EC市場は年々拡大していることがわかりました。

では海外EC市場はどうでしょうか。

 

eMarketerが調査した2017年から2023年の予測を踏まえたレポートが公開されています。

eMarketerとは、Ecommerceなどのデジタルマーケティングやマスメディア業界に関する洞察と傾向を提供する市場調査企業です。

 

上図のとおり、2020年時点で4.2064兆USドルの推測値を出しており、2023年まで拡大していく結果となっています。

※ ただし、旅行やイベントチケットを除く

 

注目すべきところは、その伸び率です。

2017年から比較すると伸び率は右肩下がりではあるものの現時点では約20%、2023年でも約15%と急激な拡大を推測しています。

 

 

それでは海外EC市場を先導しているトップ10の国を確認してみましょう。

※ 本図は、物販系、サービス系を含み旅行やイベントチケットを除いた結果です。

 

上図のとおり、中国のEC市場規模は第2位であるアメリカの3倍となっております。

それでもアメリカのEC市場規模も十分大きいため、

中国、アメリカの2カ国が海外EC市場を先導している、と言っても良いでしょう。

 

中国に至っては前年比の伸び率も27.3%と現在も急激に成長中です。

 

「急成長」で着目すると、インドが前年比の伸び率が31.9%とトップ10の中で一番高いので、今後目が離せない国の一つと言えます。

 

また他の国では、インドをも超える成長率を出しているので同時にチェックすべきポイントです。

 

東南アジアの国々を抑え、メキシコの伸び率は35.0%でした。

 

インフラも充分とはいえないメキシコでこの成長率。。。

その背景にはAmazonやMercado Libreの参入によりFinTech事業が拡大していることにあります。さらにメキシコ政府もFinTech事業を後押ししているようです。

 

海外EC市場では日本はどのポジション?

上述より、世界のEC市場で「日本」というキーワードが出ませんでした。

では、日本はどのポジションなのでしょうか?

 

世界のEC市場規模では、第4位にランクインしており、市場規模としては小さくありません。

しかし、前年比との伸び率は4.0%とトップ10の中で最低スコアとなっています。

 

これを悲観的に捉える方が多いかもしれません。

世界の視点では、日本のEC市場の成長率は他国と比べて鈍化しています。

※ だたし、物販系、サービス系を含み旅行やイベントチケットを除いた結果から見た推測です。

 

ここで越境EC市場について着目してみましょう。

トップ2である中国、アメリカと日本の越境EC市場について経産省が調査した結果を下図に示します。

 

日本の越境(中国・アメリカ)のEC市場規模は、2,765億円に対して、

中国の越境(日本・アメリカ)のEC市場規模は、32,623億円、

アメリカの越境(日本・中国)のEC市場規模は、13,921億円でした。

 

この差異は驚きですが、他にも注目しておきたいポイントがあります。

下図を見てください。

 

中国が日本の越境ECから購入した総額が1兆5,345億円、

アメリカが日本の越境ECから購入した総額が8,238億円と

 

「海外(中国・アメリカ)から日本の商品を購入する市場規模は、日本から海外(中国・アメリカ)の商品を購入する市場規模より極めて大きい」ということです。

 

これは、日本における海外での越境EC市場のポテンシャルの高さを感じます。

 

また、日本の越境(中国・アメリカ)のEC市場規模が低い理由として、「自国ECサイトで十分」、「外国語の壁」、「返品が面倒」「海外のECサイトの信用度の低さ」が挙げられます。

 

まとめ

国内EC市場も海外EC市場も年々拡大しています。

特に海外向け越境EC市場には魅力を感じました。

 

今後は「グローバル」なECサイトが多くのユーザをかこえる点、高品質な日本商品が評価されている点から有効性が高いと思います。

しかし、海外向けECサイトを立ち上げるために国内ECサイト以上にいくつか要件がありますので注意してください。