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システム開発

2020.09.12

マネジメントの歴史から、私たちがいま意識すべきもの

ピーター・F・ドラッカーをご存知でしょうか?
彼は、経営学やマネジメントに精通している学者の一人です。

彼が発信するマネジメント論は、日本でも多大な影響を与えています。

ただ、マネジメントって言われてもふわっとしてますよね。

 

今回は、マネジメントの歴史から、私たちがいま意識すべきものというテーマで執筆します。

 

まずは、マネジメントの歴史について簡単に説明します。
マネジメントは、大きく「1.0」「2.0」「3.0」とモデルシフトが起こっています。

 

マネジメント1.0とは

– 人々は、組織の一部品として捉えられ、指示された仕事をします。
– リーダーは、人々を管理する組織のトップ層であり、責任を持ちます。
– 組織は、ヒエラルキー構造になる可能性が高いです。
– モチベーションは、組織のトップから順に下がっていきます。

マネジメント1.0では、組織のトップの人が人々を機械のように管理します。
そのため、事業を拡大するためには機械のパフォーマンスを上げる、
つまり部品(人々)に対して、より高いパフォーマンスを出すように検討/施行します。

そのため、組織の構造はヒエラルキーのように形成されていきます。

人々の視点では、責任範囲が最大でも部品部分なので、責任感があまりなく、
組織の下の方であるほど単純作業であるように思います。

マネジメント2.0とは

– 人々は、マネジメント1.0と同様です。
– リーダーは、マネジメント1.0と同様です。ただし、人々は「一番価値のある資産」だと理解しています。
– 組織は、マネジメント1.0と同様です。ただし、人々は「一番価値のある資産」だと理解しているため、福利厚生などのオプションを充実させます。
– モチベーションは、マネジメント1.0と同様です。

マネジメント1.0とほぼ同様なのですが、
このフェーズで意識改革が起こり始めました。

人々を機械として見るのではなく人として見るようになりました。

つまり、事業の利益が1番重要だとされていたのが、人々あってのことだと理解したのです。

ただ残念なことに、マネジメント1.0世代のリーダーは、頭では理解しているもののマネジメント1.0時代にしがみついている人が多いです。

マネジメント3.0とは

– 人々は、自分自身をマネジメントし、みんなで考え出した仕事をします。そのため、多少の責任を持ちます。
– リーダーは、ごく少数に絞られ、全体の責任を持ちます。また、人々を管理するのでなく、組織を管理します。
– 組織は、ヒエラルキーのようなピラミッド構造ではなく、多対多のネットワーク構造のようになります。
– モチベーションは、自分の意思が含まれている仕事のため、多少高いです。

 

マネジメント3.0から根本的にモデルが変わりました。
このモデルでは、人々はより主体的に協力的に行動する必要があります。

  • – 自分の意見を思い留めるのではなく、しっかりと伝えること
  • – 相手の意見を聞き、尊重すること

すべての人が意見を発信する権利があります。
そして、すべての人が協力して組織を築き上げていきます。

マネジメント3.0は、決して新しいモデルではないです。
これは、人々のマインドセットの変化にあります。

 

人々は?

マネジメントモデルがシフトしているのは、言うまでもなく時代が変化しているからです。

では、人々、私たちはどうでしょうか?

ワークライフバランスやワークシフトなど多くのキーワードが世に出てきており、
働き方改革が起こっていると思います。

マネジメントと同様に人々も
人々1.0、人々2.0、人々3.0のように分けることができます。

ただ、注意して欲しいのは、
人々の場合、バージョンが上がるほど良い、では決してありません。

これは、あくまでもマインドセットです。

 

人々1.0

人々1.0は、働き始めてから定年退職する60代まで同じ職場で働くことが最適解であると考えています。
言い換えると、安定した収入や保証が確保されている環境を好みます。

つまり、人々1.0は、安定を重要視しています。

 

人々2.0

人々2.0は、ずっと同じ条件で働き続けることに疑念があります。

「なぜ同じ時間で同じ場所で同じ報酬で定年まで働かなくてはならないのか。。。」
「もっといろいろチャレンジしたい!」

同じ条件、環境下だとモチベーションがあがらないです。
たくさんチャレンジしてその対価である報酬を受け取ることを好みます。

つまり、人々2.0は、インセンティブを重要視しています。

 

人々3.0

人々3.0は、自分自身に興味のあることにはいくらでも時間を費やすことができますが、興味のないことだとモチベーションが上がりません。
フリーランスや副業がどんどん人気になってきた昨今、このような考えを持つ方が現れています。

つまり、人々3.0は、自由を重要視しています。

 

みなさんは、どのバージョンに当てはまりますか?
もう一度言うと、このバージョンだから良いとか、特別、ということではありません。

 

さて、話をマネジメントに戻します。

あなたは、上記のような違ったタイプの人々を同じようにマネジメントしますか?

例えば、

– Aさんは、人々1.0タイプだから、福利厚生を充実させて、着実に仕事をしてもらおう
– Bさんは、人々2.0タイプだから、営業的なポジションで成果報酬型にしよう
– Cさんは、人々3.0タイプだから、好きなプロジェクトにアサインして、好きなようにかつ豪快に仕事に取り組んでもらおう

みたいなことができたら良いな、と私は思います。

さいごに

マネジメントは、自分自身にもおこなうことが大切だと思います。

毎日が忙しく、時間が流れるのが早いとき、自分自身を見失いがちです。
一度深呼吸し、自分と向き合い、振り返ってみましょう。

そのときは、「AS IS」「TO BE」「TO DO」の確認です。

現状はこうで… (= AS IS)
これを目指している、またはこうなりなたいんだ!(= TO BE)
そのために、様々なことに取り組む。 (=TO DO)

これらを再確認すると自然とモチベーションが上がるのは私だけでしょうか!
騙されたと思ってぜひ試してみてください!!